ビエントさんのたまたま偶然なんとなく見聞録

たまたま偶然出会いなんとなく気になった人(や物事)を記録しています。

Hej

昨日のこと。
沖縄のゲストハウスで、
数日前に話した
スウェーデン人の男の子と再会した。

嬉しくなって
教えてもらったスウェーデン語の
こんにちはで話しかけてみた。

Hej (ヘイ)!
案の定、怪訝な顔をされる。
知らない国の言葉で挨拶をトライして
上手くいった試しがほとんどない。

顔も腕も真っ赤に染まった彼。
1日中、自転車に乗って
八重岳という所まで行ってきたのだそうだ。

途中、雨が降ってきてびしょ濡れになったよ。
寒くて凍えながら山に登ったんだ。
山のてっぺんにおばさんのやってる
パン屋があって、そこに入ったんだ。
おばさんはびしょ濡れの僕を
厨房に入れてくれて、
ヒーターで僕を乾かしてくれた。
温かいお茶も入れてもらって。
とても親切な人だったな。
すっかり服も乾いてパン屋で
パンを買ったんだ。外に出た。
その時はもう、雨はあがってたんだ。

ソウルの大学に留学中だという彼は、
嬉しそうに、今日の出来事を話した。
パウロコエーリョの本、
アルケミストをそばに置いていた。

日本の旅は楽しい?
聞くと、
正直、寂しくなることの方が多いんだ。
ソウルに戻る日が待ち遠しいと感じたり。
でも、寂しくつらい気持ちを上回る
素敵な瞬間に出会うこともあるから。
と答えてくれた。

ジブリって知ってる?
と彼が突然聞いた。
当たり前だよ!と答えると

スウェーデンのある街が
魔女の宅急便のモデルのひとつになっているということを教えてくれた。
Googleマップで、
スウェーデンの街並みの写真を見せてくれる。
僕は、キキが好きなんだ。

13歳で魔女の修行のために
親から離れて
自分の街を探すキキ。

そのキキと、
ハンサムな25歳のスウェーデン人が
私には少し重なって見えた。

住み慣れた土地から離れ
不安や苦労があって
いろんなことに戸惑いながらも
新しい世界に踏み出そうとしている。
旅人の持つ魅力。

旅人を迎えねぎらう人も魅力的だ。
スウェーデン人の男の子が、
沖縄のおそのさんに出会った。
その楽しいエピソードを思って
私は、なんともあたたかな明るい気持ちになった。

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パン屋の朝

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近所にある小さなパン屋さん
駅近くなこともあり人気
開店前に会社員、主婦、高校生がいつも並んでいる。

この前、通りかかったら、
できたてのパンがいっぱい入った
ライトバンがお店の前に停まって
おじさんが店に運びこむところに出会った。

そこに男女のグループが通って、
30代くらいの女の人が
美味しそー!
と思わずかけよって
一生懸命覗きこんでいた。
その姿を一緒にいた男の人たちが
笑いながら見ていて
優しい風景だなと印象に残った。

なにかを美味しいまたは、
美味しそうだと思うことは幸せで、

人が、美味しいまたは、美味しそう
と思っている場面に出会うことも
ちょっと幸せなのだな。

Monday

友達とカフェで話をしていた。
看護学生時代の友達二人と。

一人が
最近ケアに自信がでてきたが
キュアができないという。

キュアってなに?
聞くと、コミュニケーションなどで
心をケアすることだと教えられる。

つらい状況にある患者さんに
どう接したらいいのか分からなくなるのだという。

深刻な、真面目な話をしている横で、
もう一人の友達が
「あたしさ、普通の病院で働くとか、
もう無理だわ」とでかい声で言う。

私と、でかい声の友達は、
病院のナースを一時期していたが、
今は違うことをしている。

私は、トイレに立った。

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トイレには、タペストリーがあり
そこには、

コーヒーは、強くあれ
そうすれば
月曜日は早い

と(多分)訳される英文があって
私は、
その文の中のMondayだけが
浮き出て見えた。

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Monday
って
もんだい
って読めるんだ。
月曜日が問題か。

キュアがキュアがと悩んでいる友達が
看護師一年目のとき、こんな話をしてくれた。

彼女の病棟では、
毎週月曜日の朝の申し送りの最後
スタッフが交代制で
一言スピーチみたいなものを
させられていた。

彼女は、
忙しいという漢字について
話した。

当時、彼女のいた病棟は、多忙をきわめ
忙しさでみんなが、てんてこまいしていた。

一年目の新人は緊張の中、必死で話しだした

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忙しいという字は、
心を亡くすと書きます。

パッと顔をあげ、
目の前の先輩ナースたちの顔を見た。

真面目に耳を傾けている人など一人もいなかった。
忙しい朝の時間にちんたら話すなよ。
焦りや苛立ちのにじみ出た表情の集団に
囲まれていた。

悲しみはなく、ただ
自分の話している内容が
これ程まで受け入れられない状況に
なぜだか無性に笑いがこみあげて
それを必死で我慢しながら 
スピーチを切り上げたそうだ。

そんなことを何年も前に話してくれた。
友達本人は、覚えているだろうか。

真っ直ぐな『好き』の強さ

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さきほど、サッカー合宿について書いたのだが
そのときにひとつある出来事を思い出した。
漫画にしてみたが伝わるだろうか。

小学生のサッカー合宿で、
大人は、コーチと
バイトとして参加した
付き添いナースの私だけ。

もちろん車内は、
はしゃいだり笑ったり話したりする声で
騒々しいことこの上ない。

ある時、何人かが、
「いつき(仮名)の好きな人は、
 せーの!あいりちゃーん」
とはやしたてた。
ちゃんとみんなでそろえて唱和できるように
ご丁寧に「せーの!」までひっくるめたフレーズが
止むことなく続く。
その騒ぎを面白がった
無関係と思われる子どもらも、
みんなが便乗しバス中ひとつになって、
そのフレーズを繰り返す。

「いつきの好きな人は、せーの!あいりちゃーん」

普段はどんな騒ぎににも
我関せずで、眠りこむコーチも
さすがの声量と、
いじめにも見えるはやし言葉に
立ち上がり

「うるさいぞー
 人の恋路を邪魔するやつは
 馬に蹴られて死ぬんだぞー」

と軽い感じでいさめようとした。

すると
いつきくん本人が言ったのだ。
「コーチ!
 僕、その子に好きって言ったんです。
 みんなが、言ってることは本当のことなんでいいんです。」

いつきくんの声は、
凛としたすずやかな声で
何の恥じらいもなく、
むしろ自信と明るさに満ちていた。

車内は、さっきまでの喧騒が
嘘のように静まり、
コーチもただ頷くだけしかできずにいる。

本当に好きな子なんだ。
まわりになんと言われようとかまわない。

心がかっこいい。
バイトで来ただけの私には、
バスの中の男の子の顔と名前が一致しない。
どの男の子がいつきくんかはわからない。
顔も知らない彼のかっこよさにしびれながら、
珍しく沈黙のおりたバスの中、
好きという気持ちの尊さと、
かっこいい心の持ち方みたいなものを
小学生男子から教えてもらったのだった。

ややこ

数日前、朝ドラの再放送で
『あさがきた』を観た。

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主人公あさの体調の変化に
周囲の人が
「ひょっとして、ややこできたんちゃいます?」
と聞く。

ややこ

赤ちゃんのことを
昔は、ややこと呼んだのか。
なんかいいぞ。

還暦間近の父に尋ねると
「たしか、おじいさん(私からすると曾祖父)が言ってたなー」
とのこと。

ややこ ややこ ややこ
繰り返し唱えてふとあることに気づく。

ややこは、
❰ややこしい❱の語源ちゃうかな?

日本語学を大学院で研究していた友人に
メールしてみると真面目できっちりした性格の
彼女からすぐに返事が、かえってきた。

『ビエントさん
 ややこしいの語源は
 ややこであっております。
 ややこ(赤ん坊)+形容詞化語尾「し」で、
 赤ん坊のように統御できないの意となります。
 ちなみに対義語は「おとな」+「し」で
 おとなしいです。』

わーいやっぱりそうなんだ。
知の喜びに浮かれる前に
忙しい友人にわざわざ聞かず
まず、自分で調べるべきだと反省せねば。


ところで、『あさがきた』で
思い出すのは、
サッカー合宿のバスの車内だ。

ツアーナースという
子どもたちのスポーツ合宿に
看護師として同行するバイトをしていた。

合宿の帰りのバスの車中、
あさがきたの主題歌の替え歌が
繰り返し歌われていた。
❰人生は、紙飛行機願いのせてとんでいくの~❱
のところが
❰人生は、トイレットペーパーうんち拭いて流されるの~❱
で始まる。
続きの歌詞もあったはずだが
忘れてしまった。
その一生懸命の合唱に
私は、ひきこまれてしまった。

元気な歌声と明るい響き。
校歌や合唱大会では、ここまでにはならんはずだ。
小学生の自由さと、協調性は、
おふざけにより育まれるのかもしれない。

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合宿終わり、
子どもたちがバスから降りた後、
忘れものチェックをする。
車内は、お菓子の袋やスナック菓子など
ゴミであふれんばかり。

バスの運転手さんは、一言。
「いろんな団体を乗せてるけど、 
 サッカー合宿の子どもたちが
 一番マナーがなってないんだよ」
呆れ顔でゴミの散らかる
バスの座席や通路を眺めていた。

おとなしすぎるのも考えものだが、
いつまでも、ややこではいかんぞ、
サッカー少年たちよ。

ブトニア

一年に、一度
正月にだけ会う友達が

私の結婚式、来てくれる?

と言う。

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結婚するの?
と聞くと

わからんまだ先。
でもしたい。
結婚については、
まだ話してないけど、
結婚式については、彼氏と話し合ってるよ。

とのこと。
どういうこと?

ピンクのスカートと、
きれいにカールしたヘアスタイル。
休日は、ネイルチップ作りにはげむ。

毛玉だらけのセーターを着た私は、
嬉々として結婚式について話す
友達を見つめていた。

結婚式というものを大切に思っている彼女なのだ。
対して、私は、結婚式というものに
あまり興味が持てない。
派手なドレスを着て、皆に注目されるのは、
恥ずかしい。
出来れば、避けて通りたい。

成人式、
私は参加せず
振り袖を借りるためのお金で、
ニュージーランドに一人旅に出た。
これは、全く後悔なしの選択だった。


ただ、一つ
ブトニアには、並々ならぬ憧れがある

ブトニアとは、
新郎の左胸に飾る花のコサージュのことだ。
通常、新婦が持つブーケと
同じ花材で作られている。

その昔、男性が野の花を摘んで花束を作り、
結婚の申し込みとともに女性に差し出した。
結婚を受け入れる女性は、
その花束から一輪抜いて、
ブトニアとして男性の胸に挿した
という由来がある。

なんてロマンチック。

花も愛情も
もらったものは、
お返ししたいではないか。

二人でわけあうことの幸せ

ああ、ロマンチック!

忘れてきたおっぱい

看護学生時代
実習でたくさんの人と出会った。

もう何年も経って
名前を覚えている人は
ほんの数人しかいない。
その中の誰かを思い出すことも
ほとんどない。

在宅看護実習は、
面白い人との出会いの連続で
とても楽しかった記憶がある。

新築のタワーマンション
一人で暮らしていた
素敵なおばあさんがいた。

足腰が悪く、入浴の見守りが必要だった。
ゆっくり丁寧に体を洗い、
サーモンピンクのぴかぴかした湯船につかる。
ふくよかなたわわな胸のおばあさんだった。

看護師さんは、とっても優しい
お姉さんとおばさんの中間くらいの
年齢の人だった。
実習で来ている学生の私に、
足が寒かろうと、
シャワーでお湯をかけてくれた。

看護師さんが、おばあさんに
「西村さん。
 素敵なおっぱいで、うらやましい。
 豊かで、のびのびしたおっぱいだわ。」
と言うと、おばあさんは、
「あら、あなたも素敵なおっぱい
 持ってるじゃない」
と答える。

「ううん。私は、おっぱいないから」

すかさず、おばあさん
「あら、おうちに忘れてきたの?」

お風呂は、三人の明るい笑い声
と湯気に満たされる。
「そうみたい、忘れっぽいからなぁ」
「あらあら」

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私は、卒業後
急性期病棟で看護師をした。
忙しい日々にふと、この時の
おばあさんと看護師さんのことを
思い出すことがあった。

看護実習で、学生は邪険にされ
不当に冷たい扱いを受けることが多い。
そのぶん、ほんのささいな平和な瞬間が
貴重な大切な思い出として
深く刻まれるみたいだ。